思想

白衣を着て入った部屋の中は一面緑色の床だった。

そこから繋がるカラフルな配管。どこかでも見たことがあるようなシルバーの配管。

そして青いホース。

ビビットな色だから目に止まったのか、もしくはなんだろう。

きっとこんなふうに、わたしたちは毎日いろんなものを見ているのだと思った。

目が合った時、なんか気になると想うのかどうか。

この画を見てどの色が気になるか、と問いたら様々な答えが出てくるだろう。

ポツンと置かれた赤いゴム手袋はこれから使うのか、忘れ物なのか。

積み重なっているシルバーの鍋の中には何色が入っていたんだろう。

正解でも不正解でもない、ただただ自分自身の感覚に問いかけてみる。

ひとつの事実として、そこには誰かがいて、きっと別の誰かもいた。

もしかしたら、目には見えない何色かがここには存在するのかもしれない。

人の感情なんかも混ざって、今見えている色になっているのだとしたら面白い。

気付くと足を運んでいるお気に入りの場所で今日は寝転んでみた。

目の前には見覚えのある世界ではなく、私の知らない別の新しい世界になっていた。

いつもの方が落ち着くけど、今のほうがなんだかワクワクするような気がする。

近道をしたり、遠回りをしたり、空を見上げて歩いたり、地面の石ころを蹴って歩いてみたり。

新しい一歩は意外と簡単なのかもしれないと気付かされた。