想像したこともなかったけど、なんとなく、もっと機械が作っているのかと思っていた。
でもよく考えたら、機械を作っているのも人。動かすスイッチを押すのも人。
人の手が触れるものにはその人の想いがこもっていて、
自然と人から人へ、機械へ、ものへと伝わっている気がした。
誰の想いもこもっていない、
そんな寂しいものはこの世の中には存在しなくて、
もので溢れかえっているから想像が出来てなかっただけだったんだ、と言い聞かせた。
そして機械と人との阿吽の呼吸から目が離せなくなった。
ぼーっとしている時、わたしの目にはモノクロの世界が見えているのかもしれない。
悲しい時はきっと彩度が低い少しくすんだ世界で、嬉しいことがあった時はその逆なんだと思う。
わたしの頭はわたしの目と繋がっていて、
わたしの目はわたしの心と繋がっている。
わたしの心はいま、どんな色の世界を見たいんだろう。
ある部屋に入ると、そこには同じ色の同じサイズの入れ物がたくさん並んでいる。
床に貼られたテープで場所が区切られていて、その中には作り手やブランドの想いと共にバルク(化粧品の中身)が詰まっていた。
届く先はそれぞれ違うかもしれないけど、
手に取る人の笑顔を想像しながら生まれたものがこんなにたくさん集まっているこの部屋はすごく特別な場所なんだと気付いた。